食事に関する知見、今回は「女性の健康におけるグルテンと小麦」について書かれた論文の紹介の最終回です。
- 筆者主張のまとめ
グルテンフリーダイエットは、特に女性によって、健康的なライフスタイルと様々な疾患の管理の為の選択肢の一つとして誤って考えられていることがよくあります。
事実上、栄養管理が無ければ、グルテンフリーダイエットはエネルギー量と栄養価のバランスが崩れる傾向があります。
さらに、通常グルテンフリー食品は高価なことが多く、グルテンフリーダイエットを実施することはよりコストがかかります。
また、社会的に影響が大きいと考えられ、厳密なグルテンフリーダイエットを継続することは困難であると思われます。
様々な研究において、グルテンや他の小麦化合物(ATIなど)が、自己免疫疾患や免疫系の調整不全を伴う他の疾患の発症に関与していることを示唆する結果があります。
グルテンフリーダイエットは全ての人に適しているわけではなく、グルテンフリーダイエットを厳格に実施する必要がある唯一の条件はセリアック病だと筆者は結論付けています。
・この論文を読んで
グルテンフリーダイエットに取り組む目的を明確にし、デメリット、メリットを理解した上でグルテンフリーダイエットを実施することが大切だと考えます。
グルテンフリーダイエットは、セリアック病患者にとって唯一の治療法、グルテン/小麦不耐症患者にとって症状改善の可能性のあるものです。一方で、欠乏症にならないように、不足する栄養素を補うなどの栄養管理が必要となります。
もし、小麦を摂取すると体調に何らかの異変があるのであれば、デメリットや注意点を理解した上で小麦の摂取量を減らしてみたり、一定期間小麦を控えてみてもいいかもしれません。