甲状腺はのどぼとけの下にある10-20gの蝶の形をした臓器です。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは体温・脈拍・食欲・体重・便通など、全身の様々な機能を整える役割を持ちます。更に、胎児期・小児期はからだの発育の他、精神や知能の発達にも重要な役割を果たします。

病気

代表的なものとして、甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症、および不足する甲状腺機能低下症があります。
機能亢進症の原因はバセドウ病が多く、次いで無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、他に特殊なものとしてプランマ―病やTSH産生下垂体腫瘍などがあります。

バセドウ病であれば治療の選択肢として抗甲状腺薬の内服(メルカゾール、チウラジールなど)や手術、放射線治療が挙げられ、それぞれ一長一短があります。無痛性甲状腺炎など他の病気であれば、抗甲状腺薬は使用せずに他の治療を行うこととなります。機能低下の原因としては橋本病(慢性甲状腺炎)が代表的です。低下を補うために甲状腺ホルモン薬(チラーヂン)を処方することがあります。甲状腺疾患は女性に多いとされ、年齢は関係ありません。10代でも80代でも発症する可能性があるため注意が必要です。

検査

血液検査と頚部エコーが基本的な検査となります。
血液検査では血液中の甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモン(TSH)の量を測定したり、TSH受容体抗体、サイログロブリン抗体、TPO抗体といった自己抗体の有無の確認を行います。また、エコーでは甲状腺の大きさや炎症の有無、甲状腺内部の性状や血流について評価を行います。

腫瘍がある場合、場合によっては針を刺して細胞を採取して顕微鏡で悪性度の確認を行う「細胞診」を実施する場合もあります。大半の甲状腺疾患はこうした検査で診断がつきますが、中枢性甲状腺機能低下やTSH産生下垂体腫瘍など特殊な病気ではMRIや負荷試験など別の検査が必要となる場合もあります。

妊婦と甲状腺

甲状腺機能が正常でない場合、不妊の原因となる場合があります。そこで妊活をお考えの方は自覚症状がなくても事前に医療機関で検査を受けられることをおすすめします。
妊娠初期の赤ちゃんには甲状腺がないため、お母さんの甲状腺ホルモンに頼るしかありません。そのため、ホルモンが不足していた場合は成長に問題が出ることがありますし、過剰な場合は流産につながる場合もあります。

しかし、甲状腺の病気があるからといって悲観的になる必要はありません。適切な治療を受け、甲状腺ホルモンのバランスをコントロールすれば対処できるケースがほとんどです。

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